哲学者

ストア派

クリュシッポス

クリュシッポス

紀元前279年頃、小アジアのソロイに生まれたストア派第三代学頭。創始者ゼノンの思想を論理学・自然学・倫理学の三領域で精密に体系化し、「ストア主義第二の創設者」と称された。700を超える著作は全て散逸し

ポセイドニオス

ポセイドニオス

紀元前135年頃シリアのアパメイア生まれ、中期ストア派の博学者にしてロドス島の哲学校長。哲学・天文学・地理学・歴史・気象学・地震学を一つの宇宙論で繋ぎ、ポンペイウスやキケロが直接師事した「ストラボンが

ルキウス・アンナエウス・セネカ

ルキウス・アンナエウス・セネカ

紀元前4年頃にヒスパニアで生まれ、ローマ帝国の政治と文学の中枢を歩んだストア派哲学者。皇帝ネロの教育係から国政の参謀へと登りつめ、権力の渦中で「時間の使い方」「逆境との向き合い方」を書き続けた実践の人

エピクテトス

エピクテトス

紀元50年頃、フリュギアに奴隷として生まれ、ローマで師ムソニウス・ルフスからストア哲学を学び解放された哲学者。自らは一行も著さなかったが、弟子アッリアノスが記録した『語録』と『提要』は、制御できるもの

ゼノン

ゼノン

紀元前334年頃、地中海交易の要衝キプロス島キティオンに生まれたフェニキア系ギリシア人。航海中の難破で全財産を失いアテナイに流れ着いた後、キュニコス派のクラテスらに師事して哲学を修めた。彩色柱廊ストア

マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス

マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス

紀元前95年生まれ、共和政ローマ末期の元老院議員にしてストア派哲学を血肉とした稀有な実践者。腐敗が常態化したローマ政界で「買収不能の人」と呼ばれ、ユリウス・カエサルに屈するくらいなら自決を選んだ生き様

?

ガイウス・ムソニウス・ルフス

30年頃生まれ、ローマ帝政期のストア派哲学者にして「ローマのソクラテス」と呼ばれた実践哲学者。ネロからウェスパシアヌスまで4人の皇帝のもとで二度の流刑を経験しながらも、講義室を持たず広場で問いかける姿

パナイティオス

パナイティオス

紀元前185年頃ロドス島生まれ、中期ストア派の祖にしてストア派最後の正統学頭。スキピオ・サークルの中心に座り、厳格な原ストア派の禁欲主義を生活適用可能な実践倫理に転換した張本人。彼の主著『義務について

?

ヒエロクレス

西暦2世紀ローマ帝政期のストア派哲学者。生涯の詳細は不明だが、アウルス・ゲッリウスは「重厚にして敬虔な人」と評した。1901年にエジプト・ヘルモポリスで発見されたパピルス断片『倫理学綱要』300行が現

マルクス・アウレリウス・アントニヌス

マルクス・アウレリウス・アントニヌス

121年ローマに生まれ、ストア哲学を深く信奉しながら五賢帝最後の皇帝としてローマ帝国を統治した哲人君主。蛮族との長期にわたる戦争のさなか陣営で夜ごと綴った『自省録』は、権力の頂にあっても内面の自由を追

古代ギリシア

ヒュパティア

ヒュパティア

4世紀後半のアレクサンドリアに生まれた新プラトン主義の哲学者・数学者・天文学者。父テオンのもとで数学と天文学を修め、プラトンやアリストテレスを講じる学塾を率いて異教徒・キリスト教徒を問わず門弟を集めた

プロティノス

プロティノス

紀元205年頃、ローマ帝国支配下のエジプトに生まれた哲学者。プラトンの思想を独自に発展させ、万物の根源である「一者」からの流出によって世界が段階的に生成されるという壮大な形而上学体系を構築した。弟子ポ

ヘラクレイトス

ヘラクレイトス

紀元前6世紀、小アジアのエフェソスに生まれたソクラテス以前の哲学者。万物は絶えず変化するという「万物流転」の思想と、世界を貫く法則としての「ロゴス」の概念を提唱し、対立するものの統一という弁証法的思考

ピタゴラス

ピタゴラス

紀元前6世紀、エーゲ海のサモス島に生まれ、南イタリアのクロトンで宗教的共同体を率いた古代ギリシアの思想家。数と宇宙の調和を探究し、魂の輪廻転生を説いた。弦の長さと音程の関係から音楽理論を導き、彼の名を

パルメニデス

パルメニデス

紀元前6世紀末、南イタリアのエレアに生まれたソクラテス以前の哲学者。叙事詩『自然について』のなかで「あるものはあり、あらぬものはあらぬ」と宣言し、変化や多様性を感覚の欺きとして退けた。この存在の一元論

デモクリトス

デモクリトス

紀元前460年頃、トラキア地方アブデラに生まれた古代ギリシアの自然哲学者。師レウキッポスとともに万物の根源を「原子(アトモス)」と「空虚(ケノン)」に求め、目に見えない微小な粒子の離合集散で森羅万象を

ディオゲネス

ディオゲネス

紀元前412年頃、黒海沿岸シノペに生まれた古代ギリシアの哲学者。キュニコス派の代表として大甕を住処に選び、財産・名声・社会的慣習を退けて生きた。白昼にランプを掲げ「人間を探している」と語った逸話や、ア

テーバイのクラテス

テーバイのクラテス

紀元前4世紀のテーバイ生まれ、莫大な遺産を路上に投げ捨てキュニコス派として生きた哲学者。シノペのディオゲネスに学び、ストア派の祖キティオンのゼノンを育てた。妻ヒッパルキアと路上で生活を共にし、古代とし

アリストテレス

アリストテレス

紀元前384年、マケドニア辺境のスタゲイラに生まれ、プラトンのアカデメイアで20年間学んだのち独自の経験主義的方法論を打ち立てた古代ギリシアの哲学者。論理学・倫理学・政治学・生物学など諸学問を体系化し

エピクロス

エピクロス

紀元前341年サモス島生まれの古代ギリシア哲学者。アテナイに「庭園(ケーポス)」学派を開き、快楽を最高善と説いたが、その本質は肉体的享楽ではなく苦痛と不安の除去がもたらす心の平静「アタラクシア」であっ

ソクラテス

ソクラテス

紀元前5世紀、民主政アテナイの広場で市民に問いを投げかけ続けた古代ギリシアの哲学者。対話を通じて相手の無知を自覚させる独自の問答法を確立し、「善く生きるとは何か」を哲学の中心課題に据えた。一切の著作を

アンティステネス

アンティステネス

紀元前446年頃アテナイ生まれ、ソクラテスの直弟子にしてキュニコス派の祖と目される哲学者である。ソフィスト・ゴルギアスから修辞学を学んだ後、ソクラテスのもとへ通うため毎日ピレウス港から9キロ歩いた。「

ピュロン

ピュロン

紀元前360年頃エリス出身、古代ギリシア最初の懐疑主義哲学者にしてピュロン主義の祖である。アレクサンドロス大王のインド遠征に随行し、裸の哲人ギュムノソフィスタイから帰って学派を創始した。判断停止(エポ

プラトン

プラトン

紀元前427年頃にアテナイで生まれ、師ソクラテスの刑死という衝撃を原動力に哲学の道を切り拓いた古代ギリシアの哲学者。イデア論と対話篇という二つの方法的革新で西洋哲学の土台を築き、アカデメイアの創設によ

プロクロス

プロクロス

412年コンスタンティノープル生まれ、アテナイ・アカデメイアの学頭を半世紀務めた古代末期最後の大哲学者。新プラトン主義の体系化者にして数学者・神学者で、『神学綱要』211命題は中世イスラーム圏でアリス

カルキスのイアンブリコス

カルキスのイアンブリコス

245年シリア・カルキス生まれの新プラトン主義哲学者。エメサ祭司王家の血を引き、ポルピュリオスの弟子だが神働術を哲学の中心に据えた点で師と決定的に対立した。アパメアに学派を開き、ピタゴラス的生活様式と

テュロスのポルピュリオス

テュロスのポルピュリオス

234年フェニキアのテュロス生まれの新プラトン主義哲学者。師プロティノスの遺稿を『エンネアデス』6巻に編纂し、論理学入門書『エイサゴーゲー』はラテン訳・アラビア語訳を経て中世ヨーロッパとイスラーム圏で

東洋哲学

鈴木大拙

鈴木大拙

1870年、石川県金沢に生まれた仏教学者。禅の思想を英語で世界に発信し、西洋における東洋哲学理解の土台を築いた立役者である。コロンビア大学での講義はビート世代の作家や前衛芸術家に衝撃を与え、20世紀後

和辻哲郎

和辻哲郎

1889年兵庫県に生まれ、西洋哲学の受容と日本的風土論の融合に独自の道を拓いた倫理学者。人間存在を個人ではなく「間柄」という関係性から捉え直し、『風土』では気候・風景が民族の精神構造を形づくる過程を比

龍樹

龍樹

2世紀頃の南インドに生まれた大乗仏教の僧にして哲学者。一切の存在は固定的な本質を持たないとする「空(シューニヤター)」の理論を体系化し、中観派を創始した。主著『中論(ムーラマディヤマカカーリカー)』は

西田幾多郎

西田幾多郎

1870年、加賀国河北郡に生まれた日本近代哲学の開拓者。青年期からの深い参禅体験と西洋哲学の厳密な論理的方法を独自に結合させ、主著「善の研究」で純粋経験という根本概念を提示した。京都学派の創始者として

荘子

荘子

紀元前4世紀の中国戦国時代、宋の蒙に生まれた道家思想の大成者。胡蝶の夢や庖丁解牛の寓話など鮮烈な物語を通じて万物の相対性と「無為自然」の境地を説き、老子とともに道教の二大古典である『荘子』全三十三篇を

荀子

荀子

紀元前3世紀、戦国時代末期の趙国に生まれた儒学者。孟子の性善説に真っ向から対立し「人の性は悪なり」と唱えた思想家である。礼の実践と弛まぬ学問による後天的な自己修養こそが人間を道徳的存在へと高めると主張

孔子

孔子

紀元前551年頃、周王朝の秩序が揺らぐ春秋時代の魯国に生まれた儒家の始祖。仁・礼・孝を軸とする実践的な道徳体系を構築し、君子の理想像を通じて為政者と個人の倫理を結びつけた。約三千人の弟子を育て、その教

王陽明

王陽明

1472年、明代中国の浙江に生まれた儒学者にして軍略家。朱子学の「先知後行」を覆し、知と行は分離できない一体の営みとする「知行合一」を提唱。人が生来備える善悪判断の力を発揮せよと説く「致良知」の思想を

孟子

孟子

紀元前372年頃、戦国時代の鄒国に生まれた儒家の亜聖。孔子の孫・子思の学統を受け継ぎ、人間は生まれながらに善の萌芽を持つとする性善説を体系化した。仁義に基づく王道政治を各国の君主に説いて回り、民を根本

老子

老子

紀元前6世紀頃の中国・春秋時代に生きたとされる半伝説的な哲学者。万物の根源を「道(タオ)」と捉え、人為を排して自然のままに委ねる「無為自然」の思想を説いた。著書『老子道徳経』は五千字余りの短い書物なが

朱熹

朱熹

南宋の儒学者(1130-1200)。朱子と尊称される。仏教・道教の優位を覆し、儒教を再構築した「宋明理学」の集大成者。「四書集注」が1313年から1905年まで600年間、東アジアの科挙の教科書となり

墨子

墨子

中国戦国時代の思想家(紀元前470年頃-紀元前390年頃)。諸子百家の一派、墨家の開祖である。「兼愛」(差別なき愛)と「非攻」(侵略戦争の否定)を中心に独自の倫理体系を構築し、儒家と並ぶ戦国時代二大学

道元

道元

鎌倉初期の禅僧(1200-1253)、日本曹洞宗の開祖。京都の貴族家に生まれながら3歳で父、8歳で母を失い、無常を骨身で知った。23歳で南宋に渡り、天童如浄から「身心脱落」の語で大悟。「ただひたすら坐

親鸞

親鸞

鎌倉時代の浄土真宗の開祖(1173-1263)。9歳で比叡山に登り20年を修行に費やすが35歳で法然の専修念仏に出会い回心。1207年「承元の法難」で越後に流罪となり、流刑地で僧でも俗でもない「非僧非

空海

空海

平安初期の真言宗の開祖(774-835)。讃岐に生まれ、804年に遣唐使船で長安に渡り恵果に密教を学んだ。帰国後、高野山に金剛峯寺を開き、京都の東寺を真言密教の根本道場とした。「即身成仏」と「十住心論

韓非

韓非

戦国時代末期の中国の哲学者(c.280-233 BC)。法家思想の集大成者。韓非は荀子の弟子で、商鞅の「法」、申不害の「術」、慎到の「勢」を統合した政治哲学を著した。秦に呼ばれたが李斯の謀略で獄死。彼

近世西洋

ルネ・デカルト

ルネ・デカルト

1596年フランスに生まれ、「我思う、ゆえに我あり」の一語で近世哲学の出発点を打ち立てた哲学者にして数学者。あらゆる前提を疑い尽くす方法的懐疑によって確実な知の土台を再構築し、幾何学と代数を結合させた

カール・マルクス

カール・マルクス

1818年プロイセン王国トリーア生まれ。ヘーゲル弁証法を唯物論に反転させ、歴史の原動力を経済的生産関係に見出す唯物史観を構築した。盟友エンゲルスとの共著『共産党宣言』で階級闘争の理論を提示し、ライフワ

ジョン・スチュアート・ミル

ジョン・スチュアート・ミル

1806年ロンドン生まれ、功利主義哲学を質的に深化させた19世紀イギリスの哲学者・政治経済学者・下院議員。師ベンサムの「最大多数の最大幸福」を継承しつつ快楽に質的区別を導入し、『自由論』では他者危害原

ジョン・ロック

ジョン・ロック

1632年イングランド生まれ、「イギリス経験論の父」にして「自由主義の父」と称される近世の哲学者・医師。人間の心は白紙であるとするタブラ・ラサの認識論と、生命・自由・財産を不可侵の自然権として擁護する

バールーフ・デ・スピノザ

バールーフ・デ・スピノザ

1632年アムステルダム生まれ、ユダヤ教共同体から破門されながらレンズ磨きで生計を立てた異端の哲学者。主著『エチカ』で幾何学的方法により神と自然の同一性を論証し、デカルト・ライプニッツと並ぶ近世合理主

フリードリヒ・ニーチェ

フリードリヒ・ニーチェ

1844年プロイセン生まれの哲学者。24歳でバーゼル大学教授に就任するも健康悪化で辞職し、以後は孤独な放浪の中で「神は死んだ」「超人」「力への意志」「永劫回帰」といった近代哲学を根底から揺るがす概念群

アルトゥル・ショーペンハウアー

アルトゥル・ショーペンハウアー

1788年、ダンツィヒに生まれたドイツの哲学者。主著『意志と表象としての世界』で、世界の本質を盲目的な「意志」と捉える独自の形而上学を構築した。カント哲学を継承しつつ仏教思想を西洋に本格的に接続した先

ジョージ・バークリー

ジョージ・バークリー

1685年アイルランド生まれの聖職者にして哲学者。「存在することは知覚されることである (Esse est percipi)」を掲げ、物質の独立存在を否定する主観的観念論を提唱した。ロック・ヒュームと

イマヌエル・カント

イマヌエル・カント

1724年、プロイセンのケーニヒスベルクに生まれ、生涯その地を離れることなく西洋哲学の地図を塗り替えた近世哲学の巨峰。『純粋理性批判』で認識論にコペルニクス的転回をもたらし、理性の限界と可能性を精密に

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

1770年ドイツ・シュトゥットガルト生まれ。カント以降のドイツ観念論を集大成し、弁証法的思考によって歴史・精神・国家を一つの動的な体系として描き出した。主著『精神現象学』は意識が自己認識に至る壮大な旅

フリードリヒ・シェリング

フリードリヒ・シェリング

ドイツ観念論を代表する哲学者(1775-1854)。15歳でテュービンゲン神学校に入学し、ヘーゲル・ヘルダーリンと同室になった早熟の天才。フィヒテとヘーゲルの間に位置し、自然哲学・同一哲学・自由論・神

ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ

ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ

ドイツ観念論の出発点に立つ哲学者(1762-1814)。カント哲学を継承しつつ「物自体」を否定し、自我の自己定立から世界全体を導出する『知識学』を構想した。ナポレオン占領下のベルリンで行った『ドイツ国

トマス・ホッブズ

トマス・ホッブズ

1588年、スペイン無敵艦隊来襲の報に母が産気づき早産で生まれたイングランドの哲学者。「私と恐怖は双子だ」と自伝で語る。清教徒革命の動乱を生きながら『リヴァイアサン』(1651) で社会契約説を打ち立

ブレーズ・パスカル

ブレーズ・パスカル

1623年フランス・クレルモン生まれ、数学者・物理学者・哲学者・神学者・実業家を一身に兼ねた早熟の天才。16歳で『円錐曲線試論』、19歳で機械式計算機を発明、流体力学のパスカルの原理を確立し、確率論を

デイヴィッド・ヒューム

デイヴィッド・ヒューム

1711年エディンバラ生まれ、英語圏経験論を完成させたスコットランドの哲学者。28歳の主著『人間本性論』が「印刷所から死産した」と本人が嘆くほど無視されたが、後に因果律を「習慣的連想」に還元する徹底的

ゴットフリート・ライプニッツ

ゴットフリート・ライプニッツ

1646年ライプツィヒ生まれ、デカルト・スピノザと並ぶ大陸合理論最後の巨人。哲学では『モナドロジー』『弁神論』、数学では微積分法をニュートンと独立に発見し、現代も使われる微分・積分記号(d, ∫)を考

ミシェル・ド・モンテーニュ

ミシェル・ド・モンテーニュ

1533年フランス・ペリゴール地方生まれ、近代エッセイ(随筆)というジャンルそのものの創始者。法官を37歳で辞してモンテーニュ城の塔に隠居し、自分自身を観察対象として『エセー』全3巻を書き続けた。宗教

フランシス・ベーコン

フランシス・ベーコン

1561年ロンドン生まれ、ジェームズ1世期に大法官にまで昇進したイギリス経験論の祖。「知識は力なり」「イドラ(偶像)」の概念を打ち立てた。スコラ的演繹に対し帰納と実験による新しい学問の方法論『ノヴム・

デジデリウス・エラスムス

デジデリウス・エラスムス

1466年(または1469年)ロッテルダム生まれ、北方ルネサンス最大の人文主義者にしてカトリック司祭。代表作『痴愚神礼讃』とギリシア語『校訂版新約聖書』を通じて、聖書解釈と教会改革を求めながら、宗教改

フーゴー・グローティウス

フーゴー・グローティウス

オランダ生まれの法学者・哲学者(1583-1645)。「国際法の父」と称され、自然法に基づく『戦争と平和の法』(1625)で近代国際法の基礎を築いた。11歳でライデン大学に入学した神童である。宗教対立

実存主義

現代西洋

ユルゲン・ハーバーマス

ユルゲン・ハーバーマス

1929年ドイツ生まれ、フランクフルト学派第二世代を代表する哲学者・社会理論家。『コミュニケーション的行為の理論』で道具的理性に代わる対話的合理性を提唱し、『公共性の構造転換』で市民的公共圏の成立と変

ミシェル・フーコー

ミシェル・フーコー

20世紀フランスを代表する哲学者・思想史家。権力と知識が不可分に絡み合う構造を解明し、「狂気の歴史」「監獄の誕生」「言葉と物」などの著作を通じて、近代社会が人間を管理・規律化する仕組みを根底から問い直

ジャック・デリダ

ジャック・デリダ

フランス領アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人哲学者。西洋哲学2500年の根幹に潜むロゴス中心主義を暴き出し、「脱構築」という方法を通じて哲学・文学・法学・建築にまで及ぶ知的地殻変動を引き起こした。

ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

1889年ウィーンの大富豪の家に生まれながら莫大な遺産を放棄し、言語と世界の関係を根底から問い直したオーストリア出身の哲学者。前期の『論理哲学論考』で言語が描ける範囲の限界を画定し、後期の『哲学探究』

バートランド・ラッセル

バートランド・ラッセル

1872年イギリス生まれの哲学者・論理学者・数学者。ホワイトヘッドとの共著『プリンキピア・マテマティカ』で数学の論理的基礎づけに挑み、分析哲学の創始者の一人となった。ラッセルのパラドックスで集合論に革

ウィリアム・ジェームズ

ウィリアム・ジェームズ

1842年ニューヨークに生まれ、心理学と哲学の両領域でアメリカの知的基盤を築いた思想家。1875年にアメリカ初の心理学講座を開設し「アメリカ心理学の父」と称される一方、パースと共にプラグマティズムの哲

ヴィルヘルム・ディルタイ

ヴィルヘルム・ディルタイ

19世紀後半のドイツで「精神科学」(Geisteswissenschaften)の方法論的基礎を築いた哲学者・歴史家(1833-1911)。自然科学的「説明」に対する歴史と人文諸学の独自原理として「了

シモーヌ・ヴェイユ

シモーヌ・ヴェイユ

1909年パリ生まれ、34歳で夭折したフランスの哲学者にして神秘思想家。高等師範学校卒のエリートでありながら自ら工場労働者となり、肉体的苦痛の中から「不幸(マルール)」と「注意力(アタンシオン)」の哲

ハンナ・アーレント

ハンナ・アーレント

1906年ドイツ生まれ、ナチスの迫害を逃れ渡米したユダヤ系の政治哲学者。『全体主義の起源』で20世紀の支配構造を体系的に解剖し、アイヒマン裁判の傍聴から「悪の凡庸さ」という概念を提示した。思考を停止し

マルティン・ハイデッガー

マルティン・ハイデッガー

20世紀大陸哲学を代表するドイツの哲学者(1889-1976)。主著『存在と時間』(1927)で「存在の問い」を新たに立て、現存在(ダーザイン)分析を通じて伝統的形而上学を解体。サルトル、アーレント、

エトムント・フッサール

エトムント・フッサール

オーストリア生まれの哲学者・数学者(1859-1938)。ユダヤ系の出身で、数学から哲学へ転じ、20世紀を貫く哲学運動「現象学」を打ち立てた。「事象そのものへ」を合言葉に、認識の前提を一旦括弧に入れる

アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド

アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド

イギリス出身の数学者・哲学者(1861-1947)。弟子バートランド・ラッセルとの共著『プリンキピア・マテマティカ』(1910-13)で論理学・数学基礎論に革命をもたらした後、60代で哲学に転じハーバ

チャールズ・テイラー

チャールズ・テイラー

現代カナダの政治哲学者(1931- )。コミュニタリアニズムの代表的論客であり、ヘーゲル研究・近代的自己論・世俗化論で英米と大陸の哲学を結ぶ稀有の存在。マギル大学名誉教授。『自我の源泉』『世俗の時代』

ジョージ・エドワード・ムーア

ジョージ・エドワード・ムーア

20世紀英国分析哲学の三本柱の一人(1873-1958)、ケンブリッジで「精神哲学・論理学」教授を務めた倫理学者・哲学者。観念論隆盛のイギリスで常識的実在論への転換を主導し、『倫理学原理』で「自然主義

ヒラリー・パトナム

ヒラリー・パトナム

20世紀後半の分析哲学を縦横に駆け抜けたアメリカの哲学者(1926-2016)。心の哲学では機能主義の祖、言語哲学では「双子地球」の思考実験による意味論的外在主義、認識論では「水槽の中の脳」、数理哲学

アンリ・ベルクソン

アンリ・ベルクソン

20世紀前半フランスを代表する哲学者(1859-1941)。「純粋持続」「エラン・ヴィタール(生の飛躍)」「直観」を中心概念に、機械論的時間観と決定論的進化論を批判する独自の生命の哲学を構築した。19

マーサ・ヌスバウム

マーサ・ヌスバウム

現代アメリカを代表する倫理学者・古典学者(1947- )。アリストテレス的徳倫理学を現代に蘇らせ、経済学者アマルティア・センと共に「ケイパビリティ・アプローチ」を展開した。シカゴ大学教授。京都賞(20

ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン

ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン

20世紀後半の分析哲学を主導したアメリカの論理学者・哲学者(1908-2000)。「経験主義の二つのドグマ」で分析・総合の区別を解体し論理実証主義を退却に追い込んだ。ハーバードのエドガー・パース教授を

ジョン・ロールズ

ジョン・ロールズ

20世紀後半を代表する米国の政治哲学者(1921-2002)。1971年刊行の主著『正義論』(A Theory of Justice)で、ホッブズ以来停滞していた政治哲学を再興。「無知のヴェール」と「

トーマス・クーン

トーマス・クーン

アメリカの科学史家・科学哲学者(1922-1996)。1962年の主著『科学革命の構造』で「パラダイムシフト」概念を提唱し、科学が累積的でなく断続的に飛躍することを示した。物理学者から転じた異色の哲学

カール・ポパー

カール・ポパー

オーストリア出身のイギリスの哲学者(1902-1994)。「反証可能性」を科学性の境界基準として提唱し、20世紀科学哲学の中心人物となった。『開かれた社会とその敵』(1945)では全体主義を哲学的に批

チャールズ・サンダース・パース

チャールズ・サンダース・パース

プラグマティズムの創始者にして記号論(セミオティクス)の開祖と評される論理学者・哲学者(1839-1914)。生前は大学の定職に恵まれず、米国沿岸測量局で30年勤めながら厖大な遺稿を残した在野の思考者

ピーター・シンガー

ピーター・シンガー

現代世界で最も影響力ある応用倫理学者の一人(1946- )。オーストラリア出身、現在はプリンストン大学教授。1975年の『動物の解放』で動物の権利運動の哲学的基礎を築き、世界の貧困と効果的利他主義(E

ハンス・ゲオルク・ガダマー

ハンス・ゲオルク・ガダマー

ドイツの哲学者(1900-2002)。20世紀解釈学(Hermeneutik)の中心人物にして、ハイデガーの最も重要な弟子の一人。主著『真理と方法』(1960)で「地平の融合」「先入見の生産性」「対話

ジョン・デューイ

ジョン・デューイ

アメリカのプラグマティズム哲学者・教育学者(1859-1952)。「行為することによって学ぶ」(Learning by doing)の信念のもと、シカゴ大学に実験学校を設立し『民主主義と教育』(191

モーリス・メルロー=ポンティ

モーリス・メルロー=ポンティ

フランスの現象学者(1908-1961)。サルトルとボーヴォワールと同時代の友人にして論争相手として知られ、フッサール現象学を「身体性」の哲学へと展開した。主著『知覚の現象学』(1945)で「我々は身

イスラーム

中世

トマス・アクィナス

トマス・アクィナス

1225年頃、南イタリアのロッカセッカに生まれたドミニコ会士にして中世最大の神学者・哲学者。主著『神学大全』でアリストテレス哲学とキリスト教神学を体系的に統合し、スコラ学の頂点を築いた。神の存在を証明

アンセルムス

アンセルムス

1033年アオスタ生まれ、ベネディクト会修道士から1093年にカンタベリー大司教となった神学者・哲学者。理性で神の存在を証明しようと試みた最初期の人物として「スコラ学の父」と呼ばれ、『プロスロギオン』

アウグスティヌス

アウグスティヌス

354年北アフリカのタガステ生まれ、古代末期最大のキリスト教思想家にしてラテン教父の代表。マニ教・新プラトン主義を経て32歳で回心、ヒッポの司教として『告白』『神の国』を残し、原罪・恩寵・自由意志の問

ボエティウス

ボエティウス

480年ローマ生まれ、東ゴート王国のテオドリック大王に仕え執政官・宮内長官まで上り詰めた古代末期最大の知性。獄中で書いた『哲学の慰め』は中世全期を通じてアウグスティヌス『告白』に並ぶ愛読書となり、ギリ

モーシェ・ベン=マイモーン

モーシェ・ベン=マイモーン

1135年イスラーム支配下のコルドバに生まれた中世スファラディのユダヤ教ラビ・哲学者・医師。迫害を逃れて北アフリカ・パレスチナを経てカイロに定住し、サラディンの宮廷医を務めた。アリストテレス哲学とユダ